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コラムColumn

※株式会社SalesLabへの分社化に伴い、
株式会社ネクスウェイとして
運営していた時のコラムも掲載しております。

2017.08.15

インサイドセールスから考える未来予測と今取り組むべき課題

Businessman holding a glass ball,foretelling the future.

ネットで簡単に商品に関する情報が得られるようになってから、飛び込み訪問を重ねたり電話アポをとり続けたりするような企業側からの一方的な営業スタイルは効率が落ちてきました。そのため見込み客を育成して営業を効率化するインサイドセールスが注目を集めています。今回はインサイドセールスに関連して、これからの営業がどう変わっていくかという予測と今取組むべき課題について考えてみました。

営業の効率が落ちてきた理由

従来の営業方法の効率が落ちてきたと言われています。その理由としてネットの普及に伴って顧客の行動が変化してきたことが挙げられるでしょう。ネットが普及したことによって誰もが簡単に商品に関する情報収集ができるようになってきました。商品の特徴や価格、場合によってはユーザーのレビューまでネットで調べることができます。興味のある商品や購入を検討している商品があれば、まずネットで情報を探してそれを参考にする人も多いでしょう。

特に高額な商品や慎重な検討が必要なBtoB取引においては、失敗したくないという思いからネットでの情報収集が行われます。つまり売り込む側が営業をする前に見込み客は既に情報を得ているのです。そこに興味のない商品に関する営業が行われても、商談や成約には結びつきにくいでしょう。このように顧客側が能動的に情報収集するのがあたり前になったので、一方的に受け身となるような従来の営業スタイルは敬遠される傾向となり、その効率は落ちてきているのです。

営業の効率化を高めるインサイドセールスとは?

この問題を解決する方法として注目を集めているのがインサイドセールスです。インサイドセールスとはホームページの資料請求や展示会、セミナーなどで得た見込み客に電話やメールを使ってアプローチして、成約可能性の高い見込み客を顧客と面談する営業部門に引き渡す営業手法です。

電話でアポを取るテレマーケティングならもう導入しているという企業もあるかもしれませんが、インサイドセールスはそれとは少し違います。インサイドセールスでは見込み客の課題やニーズをヒアリングし、適切なタイミングで顧客にとって有益な情報を提供します。ただアポを獲得するのが目的ではなく、見込み客を育成して購買検討の段階になったら営業部門に引き渡すのが重要な役割であり、テレマーケティングというよりも営業そのものです。Webや展示会を通して獲得した見込み客には、より詳細な情報や別角度からの資料なら喜んで受け取ってもらうことができるでしょう。

顧客との関係性を高め、潜在ニーズを顕在化させ、具体的な購買検討の段階まで持っていくのがインサイドセールスであり、従来の営業手法とは大きく違っています。

インサイドセールスは日本でも普及するのか?

営業活動を効率化させ大きく売上を伸ばす手法としてインサイドセールスが注目されていますが、日本で導入している企業はまだ少ないようです。日本型の営業スタイルといえば、飛び込み訪問を重ね、空いた時間にはアポを獲得するために電話をかけまくるというイメージが強いかもしれません。しかしライフスタイルの変化やセキュリティ意識の高まりから訪問営業自体が難しくなっていますし、電話をしても出ないことや出ても迷惑がられることも多いでしょう。

BtoB取引であっても、よほど興味のある商品や有益な情報でなければアポを取ることができません。欲しい情報はいつでもネットで簡単に探すことができるのですから、今後この傾向はますます強くなっていくと考えられます。従来の営業スタイルですと面談こそが重要視されますが、資料はメールで、商談は電話やWebでと面談の価値も変わってくることが予想されます。そのため営業スタイルをインサイドセールス型に転換せざるを得ない企業もたくさん出てくるでしょう。

今取組むべき課題は?

飛び込み営業やテレアポで自社の商品に興味のある見込み客を探すところから始まる営業スタイルは、今後ますますロスが大きくなることが予想されます。売り手側からの一方的な営業が敬遠される状況の中では、自社の商品やサービスに興味のある見込み客情報をどうやって獲得するかが大きな課題です。ホームページの資料請求や展示会、セミナーなど見込み客と接触できる機会をできるだけ増やして、どれだけ多くの見込み客情報を得ることができるかがカギとなります。獲得した見込み客情報に対して、継続してアプローチすることで顧客との関係性を高めて成約までつなげることが企業の業績アップにつながるのです。

そのため見込み客情報を得るためにどんな方法を用いるか、獲得した見込み客情報に対していつどんなアプローチをするのかを決めるのが今取組むべき課題といえるでしょう。成約の見込み度や顧客のニーズを踏まえながら最適なタイミングで情報を提供するためには、顧客のセグメントやアプローチする方法についてのルール作りも必要です。これはインサイドセールスを導入するしないに関わらず、営業の効率を高めて売上を伸ばすためにはとても重要になってきます。またこの課題にしっかりと取り組んでおけば、将来インサイドセールスを導入する際にも移行が簡単になるでしょう。