2024.05.22
現代経営の父ドラッカーのマネジメント論とは?
目次
ピーター・ドラッカーについて
ピーター・ドラッカーは、オーストリア出身の経営学者で、「現代経営学」あるいは「マネジメント」の発明者です。
本コラムでは、現代経営の父と呼ばれるドラッカーの名言と共に、彼のマネジメント論についてご紹介します。
①「マネジメントとは人のことである」
マネジメントとは、人にかかわるものである。
出典:「マネジメント」P.Fドラッカー
その機能は人が共同して成果をあげることを可能とし、
強みを発揮させ、弱みを無意味なものにすることである。
ドラッカーは、マネジメントがしっかりされていれば、人が共同して成果を上げることができ、自らの強みを用いて世の中に貢献できる。
それによって、人は想像的な存在に成長できるという言葉を残しています。
個々の強みを最大限に発揮できる組織作りは、経営者が重要視して取り組むべき内容ですね。
② 「他社との比較で自社の強みを見つけ出す。」
他社はうまくできなかったが、わが社はさしたる苦労なしにできたものは
何かを問わなければならない。同時に、他社はさしたるくろうなしにできたが、
わが社はうまくできなかったものは何かを問わなければならない。出典:「創造する経営者」 P.F.ドラッカー
競合他社がひしめく市場で勝ち抜くには、自社の強み、弱みについて見つめなおす必要があります。
①でも個人の強みについて触れているように、会社や社員の「強み」にフォーカスし、高い成果を上げることがドラッカーの経営学の本質です。
複数の競合他社と競合他社で成功し、自社で失敗したこと/他社で失敗し、自社で成功したこと等を比較し、自社の強み、弱みの分析を行うことが重要です。
③「凡人が非凡な働きをできる組織が目指すべき組織である。」
組織の優秀さとは、凡人をして非凡な働きをなさしめることにある。
出典:「マネジメント」 P.F.ドラッカー
世の中には、天才と呼ばれる人はほんの一握りです。
組織のほとんどが凡人であるのならば、この普通の人の強みをいかに引き出して、組織の中で卓越した働きをして貰うかが重要となります。
そのためには個人が自分の強みに集中でき、弱みについてはフォローし合える組織を作ることが大切だと、ドラッカーは語っています。
④「部分を合わせたものよりも、全体の総和で大きな成果を生む。」
マネージャーの役割は、部分の和よりも大きな全体、すなわち投入した
出典:「マネジメント」 P.F.ドラッカー
資源の総和よりも大きなものを生み出す生産体を創造することである。
マネージャーの役割は、オーケストラの指揮者のようにリーダーの行動、ビジョン、指導力を通じて各メンバーを統合し、創造的なものとして活かすことであるとドラッカーは説いています。
足し算のように社員の力を加算するのではなく、社員の持つ能力を掛け合わせて考えていけば、組織に所属する社員それぞれの強みを活かした相乗効果になり、大きな成果を生み出すことが出来ます。
⑤「メンバーが相互に人間として尊敬される組織風土を築く。」
仕事の上の人間関係は、尊敬に基礎をおかなければならない。
出典:「マネジメント」 P.F.ドラッカー
これに対し心理的支配は、根本において人をばかにしている。
社員それぞれがお互いを尊敬し合い、敬意を持って業務に取り組む組織こそが真の健全な組織といえます。
ドラッカーの言う心理的支配とは、「アメ (昇進や昇給)」と「ムチ (叱責や圧力)」で人の心をコントロールすることを指しています。
アメとムチで人をコントロールするのではなく、お互いを尊敬しあって成長していく関係性を持つことが組織にとって重要です。
まとめ
ドラッカーの名言を5つご紹介しました。
ドラッカーの築いたマネジメント論は、グーグルやアップルといった現代の成長企業のマネジメントの考え方の軸となり、多くの企業の発展に貢献してきました。
ドラッカーのマネジメント論の根底には、「人の成長への期待」、「人の強みが活かされる幸せな社会」があります。
労働人口が減少している今、今の組織体制でどう成果を最大化していくか?を模索するとき、改めて組織の在り方や自身の仕事への向き合い方について、ドラッカーの思想を取り入れて考えてみることも良いかもしれません。