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コラムColumn

※株式会社SalesLabへの分社化に伴い、
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2017.11.20

インサイドセールスにおけるスコアリング時の注意点

インサイドセールスでは見込み客の購買意欲や成約可能性を的確に判断することが重要になります。そのために有効な手法が見込み客のスコアリングです。見込み客の行動によって点数をつけてその点数によってランク分けすることで、見込み客の成約可能性が判断できるようになります。しかし誤ったスコアリングをしてしまうと見込み客の購買意欲を正しく判断することができずにかえって営業効率を落としてしまうのです。今回はスコアリングを行う際の注意点についてまとめてみました。

インサイドセールスにおけるスコアリングとは?

インサイドセールスでは見込み客と面談することなく、電話やメールを使って見込み客を育成し購買意欲を高めていきます。購買意欲が高まった時点で見込み客と商談する営業部門に引き継ぐのですが、そのためには営業部門へ引き継ぐための基準が必要です。この基準を点数化して可視化できるのがスコアリングの手法です。ネットやリアルでの行動履歴、電話で確認した状況、キーマンであるかなどスコアリングをするための項目を設定し、それぞれの項目に点数をつけてスコアリングを行います。例えば資料請求をしたら5点、メルマガ購読は3点、セミナーに参加したら10点、見積もりの依頼があったら20点のように点数をつけていくのです。またBtoBの場合には見込み客がキーマンであるかどうかなどの個人属性や企業属性についても点数化します。その上で合計得点を算出し、合計点の高い順にランク分けを行います。合計得点が高ければ成約可能性が高いと推測できますので、営業部門へ引き継いで商談化できる案件だと判断してよいでしょう。

スコアリングの項目を何にするか?

スコアリングをするためには、まず何をスコアリングの項目にするかを決めなければなりません。そのためには「企業属性」「興味の度合い」「活性度」「個人属性」を指標に考えることが求められます。

1.企業属性

自社の商品やサービスの対象となる業種なのか、企業の売上規模はどれぐらいなのか、従業員は何人いるのかなどによって成約可能性や予想される売上の大きさも違ってくるでしょう。

2.興味の度合い

展示会に来ただけなのか、資料請求があったのか、具体的な問い合わせがあったのかなどの行動履歴からどれぐらい興味があるのかを判断することができます。

3.活性度

半年前に資料請求があったきりなのか、何度も問い合わせがあったのかなどによって、その見込み客がどれぐらいホットであるのかを測ることが可能です。

4.個人属性

窓口になっているのは担当者なのか、キーマンと予想される役員なのかによって企業としての見込み度や成約可能性を判断することができます。

スコアの点数はどう決めるか?

スコアリングの項目が決まったら各項目に点数の基準を設定します。しかし何に対して何点つけるかという基準作りで迷ってしまうでしょう。そのため最初はあまり難しく考えずに設定するのがおすすめです。ただし各項目に点数をつける際には、どれだけ成約可能性に影響するかを考えて決めることが重要になります。ネットでの行動履歴であればメルマガの購読よりも資料請求のほうが興味の度合いは高いと考えられますし、リアルでの行動履歴であればセミナーへの参加よりも料金についての問い合わせのほうが成約可能性が高いと判断できるでしょう。購買プロセスを考慮しながらどれだけ成約に近いのかを判断して、成約に近いほど高い点数を設定することが大切です。例えば、従業員数100名以上の企業なので10点、資料請求があったので5点、ホットさは3点、先方の窓口は取締役なので10点のように各見込み客についてスコアリングを行います。この合計点数が高い見込み客を絞り込むことで、インサイドセールスから営業部門へ引き継ぐ見込み客をピックアップできるでしょう。

スコアリングの基準を検証して見直す

実際にスコアリングを始めてみると、成約可能性と合計得点の高さにギャップが出てくることもあります。合計点数が高いので営業が面談してみたがまだ成約の段階には至っていなかった、合計点数は低かったが商談がトントン拍子に進んで成約できたというようなケースも出てくるでしょう。そのためその成約可能性と点数とのギャップを埋めるために項目や基準を検証することが重要です。またインサイドセールス部門と営業部門やマーケ部門などその部署によってもスコアリングのための項目や基準が違ってくることもあります。各部門間のすり合わせや営業部門からのフィードバックを反映させることでスコアリングの精度も高まるでしょう。スコアリングの精度が高まればインサイドセールスから営業部門への引き渡しが最適なタイミングで行われるようになって成約可能性も大きく高まるのです。

スコアリングの限界を知る

インサイドセールスでスコアリングを行うことで見込み客の成約可能性が視覚化でき、営業部門へ引き渡すタイミングも明確になります。営業活動が大きく効率化され売上アップにもつながるでしょう。しかしどんなにスコアリングの精度を高めても完全な点数化はできないことも知っておくことが大切です。競合他社の動きやキーマンの一言で予想外の結果になることもあります。点数だけにとらわれることなく、常に見込み客に視点を合わせるようにすることが重要です。